結論:上棟式をしない人は7〜8割が実態
まず答えから言うと、現在は上棟式を「しない」もしくは「大幅に簡略化する」家庭が多数派です。アンケートによって差はありますが、やらない割合は6〜8割という調査結果が複数見られます。
- 完全に上棟式をしない:約6〜8割
- 神事は省略し、施主の挨拶と差し入れのみ行う「略式」が主流
- 一方で東北・宮城は餅まき文化が根強く、地域色が残るエリアもある
- やらなくてもマナー違反ではないが、大工さんへの感謝表現(差し入れ等)はした方が良い

「上棟式はやるのが当たり前」という時代はもう終わりました。現場感覚では、むしろ『やらない前提』でスケジュールを組む現場の方が多いですよ
この記事では、住宅メーカー社員の立場から、宮城・仙台の家づくりで上棟式をどう判断すればいいか、具体的な相場感とあわせてお伝えします。
上棟式とは?今さら聞けない基本
上棟式は、柱や梁を組み上げ、屋根の最上部に棟木を取り付ける「上棟(棟上げ)」の完了を祝い、工事の安全を祈願する儀式です。かつては大工の棟梁が中心となって神事を行い、施主が祝儀やお弁当、お酒を振る舞うのが一般的でした。
しかし現在は、以下のように形を変えつつあります。
| 形式 | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 本式(神事あり) | 神主を招いて祈祷、直会(宴会)あり | 10万〜30万円程度 |
| 略式 | 神事省略、施主挨拶+軽食・差し入れのみ | 1万〜3万円程度 |
| 実施なし | 差し入れや一言挨拶のみ、または何もしない | 0〜数千円 |
本式の場合、ご祝儀(棟梁・現場責任者・設計担当などへ)に加え、お弁当代、お酒代、引き出物などがかさみ、総額10〜15万円、丁寧にやると30万円近くになるケースもあります。一方、略式や「しない」選択をすれば、差し入れ代の数千円〜1万円程度で済みます。
上棟式の費用はほとんどが住宅ローンに組み込めず、現金払いになる「諸費用」です。地鎮祭はやらない選択もアリ?費用相場と判断基準の記事と合わせて、現金の出費がいつどれくらい発生するかを早めに把握しておきましょう。
なぜ「しない」が主流になったのか
理由は一つではなく、施主側・施工側双方の事情が重なっています。
- 費用負担が大きい:10万円以上のご祝儀は家計にとって無視できない出費
- 共働き世帯の増加:平日昼間の上棟式に施主が立ち会えない
- 工務店・大工の慣習変化:安全管理の徹底で現場に長時間人を集めにくい
- ハウスメーカーの標準化:大手では契約時点で「上棟式は行わない」前提のプランが一般的になりつつある
- 近隣への配慮:餅まきなど大人数が集まるイベントを避けたいケースも増加

うちは共働きで、上棟日に平日休みを取るのが難しくて…それでも大丈夫なんでしょうか?

全く問題ありません。むしろ最近はそのケースの方が多いです。担当者に「差し入れだけ用意するので大工さんによろしくお伝えください」と一言伝えておけば、現場の印象も悪くなりませんよ
宮城・仙台では「餅まき文化」が今も残る
ここは業界目線での実感ですが、宮城県は東北の中でも餅まき(もちまき)文化が比較的根強く残っている地域です。仙台市若林区をはじめ、泉区や富谷・名取エリアの新興住宅地でも、工務店側が主催して「もちまき・おかしまき」イベントを開催するケースが今も見られます。
東北地方では餅と一緒に硬貨を包んだ「おひねり」をまく風習もあり、子どもがいる近所の家族にとっては地域の小さなお祭りのような位置づけになっていることも。これは神事としての上棟式というより、近隣への顔見せ・地域コミュニティとの関係づくりとしての意味合いが強いイベントです。
餅まきは上棟式とは別物として考えてOKです。「上棟式(神事)」は省略しても、「餅まき(地域交流イベント)」だけ単独で行う施主も宮城には一定数います。工務店によって対応可否が異なるので、興味があれば早めに担当者へ相談しましょう。
やる・やらないの判断基準
迷ったら、以下のチェック項目で考えてみてください。
- 予算に10万円以上の余裕があるか
- 施主本人・家族が平日の現場立ち会いができるか
- 両親・祖父母世代が「上棟式はやるべき」という価値観を強く持っているか
- 近隣との関係づくりを兼ねて餅まきをしたいか
- 施工会社(ハウスメーカー・工務店)の標準対応がどちらか
特に最後の「施工会社の標準対応」は見落とされがちです。タマホームや積水ハウスなど大手ハウスメーカーでは上棟式を実施しない前提で進むことが多い一方、地域密着の工務店では「やるのが当たり前」という文化が残っていることもあります。契約前に一度確認しておくとトラブルがありません。

契約前のチェックリストに『上棟式の実施有無』を入れておくと、後から『え、うちはやらない方針でした』と食い違うことがなくなりますよ
契約前に確認しておくべき項目は、注文住宅の契約前チェックリスト|仙台で後悔しない15の確認事項でも詳しくまとめています。
しない場合に最低限やっておきたいこと
上棟式をしなくても、現場で働く大工さんへの感謝を形にすることはマナーとしておすすめです。費用もかからず、関係性の面でもプラスに働きます。
- 差し入れ(飲み物・お菓子など)を当日届ける
- 現場監督を通じて一言メッセージを伝える
- 棟上げ当日に顔を出せるなら挨拶だけでもする
- ご祝儀を渡す場合は1人あたり5千〜1万円程度が目安
差し入れだけなら数千円で済みますし、何より「施主が現場に関心を持っている」という姿勢が伝わることで、その後の工事品質への向き合い方にも良い影響があると、現場では感じています。

正直な話、ご祝儀の金額より『差し入れを持って現場に顔を出してくれる施主さん』の方が、現場の士気は上がります
複数の住宅会社で上棟式の方針や費用の考え方を比較したい場合は、間取りプランと合わせて一括で資料請求できるサービスを使うと効率的です。なお、請求後は各社から電話連絡が来ることがあるため、本気で検討している方向けの方法です。
まとめ:正解はない、家庭の事情で決めてよい
上棟式は「やらなければ失礼」という時代ではなく、6〜8割の家庭が省略・簡略化している選択肢の一つです。宮城・仙台では餅まきの文化が部分的に残るものの、神事としての上棟式自体は簡略化傾向が強まっています。
大切なのは、費用・時間・家族の価値観を踏まえて納得できる形を選ぶことです。やらない場合も、差し入れなど最低限の感謝を示せば現場との関係は良好に保てます。迷ったら、契約前に施工会社へ率直に相談してみましょう。
よくある質問
Q. 上棟式をしないと大工さんに失礼になりませんか?
A. 失礼にはあたりません。現在は上棟式をしない施主が多数派であり、差し入れや一言の挨拶だけでも十分に感謝は伝わります。
Q. 上棟式をしない場合、費用は全くかかりませんか?
A. ご祝儀や宴会費用はかかりませんが、大工さんへの差し入れ(飲み物・お菓子など)として数千円程度を見込んでおくと丁寧です。
Q. 宮城で餅まきだけやりたい場合はどうすればいいですか?
A. 工務店によって対応可否が異なります。神事としての上棟式は省略し、餅まきイベントのみ実施したい旨を契約前〜着工前に担当者へ相談しましょう。
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参考文献
- チューモンズー「上棟式をしない割合は何%?」 https://howto-custom-home.jp/2023/12/28/joto/
- Yahoo!知恵袋「地鎮祭、上棟式をやらないのは何割ですか?」 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13301468678
- パナソニック ホームズ「上棟式とは?施主が知るべき流れ・費用・挨拶・マナー・準備」 https://homes.panasonic.com/column/50347/
- ポラリスホームサービス「上棟式のご祝儀・費用・表書き」 https://polaris-hs.jp/kiso_chishiki/ceremony_zyoto.html
- 栗駒建業(宮城県仙台市)「上棟式の餅まき」 https://zadaiku.exblog.jp/5641265/

